67242Nintendone
 あんまりネタも無いので改めてここにフォーカスしても良いかなと思った話。

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 昨日取り上げたこれですけど、

[当ブログ: [最低法務部]任天堂、対スマ版「パルワールド」向け特許と目されていた“タッチでモン捕獲”特許を特許庁に拒絶査定されてしまう]

 一旦拒絶理由を通知された後の任天堂&株ポケモン側から出てきた意見書が情けないことこの上無いと話題になっていたんですよね、上記記事は勿論、それ以外でも。
 詳細が知られたら海外でも馬鹿にされると思いますよ。

[J-PlatPat: 特開2026-077713 審査中 (拒絶査定) 【発明の名称】ゲームプログラム、ゲームシステム、ゲーム装置、およびゲーム処理方法]

 ここの経過情報 - 審査記録からそれらの文書が見られますが、大雑把にまとめるとこの“タッチスクリーンで球投げてモン捕獲特許”、他に先行技術の例があるからとして拒絶理由を通知されているんですよね、上の記事でも以前取り上げた際の記事を挙げていますが。

 ちなみに当該の動画がこちら



 2013年に公開された物で、コメント欄では投稿者が先週に入ってから褒め称えられているという。

 で、それに対して任天堂&株ポケモンはどう答えたかというと…

意見書 (特許出願2026-019762)

【書類名】      意見書
【整理番号】     P21109D133
【提出日】      令和 8年 6月11日
【事件の表示】
  【出願番号】   特願2026- 19762
【特許出願人】
  【識別番号】   000233778
  【氏名又は名称】 任天堂株式会社
【特許出願人】
  【識別番号】   504440133
  【氏名又は名称】 株式会社ポケモン
【代理人】
  【識別番号】   100158780
  【弁理士】
  【氏名又は名称】 寺本 亮
  【電話番号】   (省略)
【発送番号】     183009

2.本願請求項1について
 上記拒絶理由通知書の本願請求項1に関する第2項~第5項において、審査官殿は、引用文献1として、Pokemon Generations - 3D indie Pokemon GameplayのYouTube動画を挙げられています。そして、審査官殿は、「引用文献等1は、Pokemon Generationsというゲームのプレイ動画であり、次の事項が開示されている。」とした上で、「投稿者の発言によると、Pokemon Generationsは、インディゲームの開発者が作成したポケモンの3Dバージョンである。」とされており、「インディゲームの開発者が作成したポケモンの3Dバージョン」が開示されているかのように認定されていますが、そのようなものは世の中に存在しませんので、「次の事項が開示されている」とする審査官殿の認定は誤りです。引用文献1の動画で開示されているのは、投稿者が著作権を侵害するゲームについてそのように事実に基づかない発言をしているというだけに過ぎません。引用文献1は、請求項構成が直接一義的に導けないただの動画であり、かつポケモンのゲームではなくポケモンの著作権を侵害するゲームの動画です。
 例えば、上記拒絶理由通知書における第2項~第5項において、審査官殿が述べられている、「Pokemon」、「ポケモン」、「サトシ」、「ピカチュウ」、「フシギダネ」、「モンスターボール」等のポケモンIP(インテレクチュアル・プロパティ)に関するものも、「…を侵害するキャラクタ」と呼ぶべきものであって、ポケモンのキャラクタ等が開示されているというのは全て誤りです。また、キャラクタ名は、本願請求項に関係ないところ、上記拒絶理由通知書において審査官殿がわざわざ侵害品を正規品のように誤った認定をしているのは極めて不適切であり、正しい認定ができないのであればそもそもキャラクタ名等を記載すべきでないものと思料致します。
 また、上記拒絶理由通知書において、審査官殿が引用文献1に開示されているとされる事項も全て誤りです。これらの事項は、投稿者が勝手に何らかの発言をしているだけであり、単なる現象を表示しているに過ぎません。投稿者の発言は、実装仕様の直接的開示ではなく、実際に操作可能か不明であり、「ゲームプログラム」の技術的開示として不十分であると思料致します。したがいまして、そのようなゲームが開示されているという審査官殿の認定は全て誤りであると思料致します。

 回りくどい物言いですが、大雑把に纏めると“ポケモンの著作権侵害してるゲームだから先行技術に入らないんだモン!”となります。

 これ以降もアホみたいな物言いが続くのですが、特にアレなのは上記記事コメント欄でも出ていましたが、

・引用文献1は、Pokemonに関連するゲームではなくPokemonの著作権を侵害するゲームを表示しているただの動画である。
・「Pokemon」は、「Pokemonを侵害するキャラクタ」と呼ぶべきものであって、Pokemonのゲームが開示されているというのは誤りである。
・「ポケモン」は、「ポケモンを侵害するキャラクタ」と呼ぶべきものであって、ポケモンのキャラクタが開示されているというのは誤りである。
・「サトシ」は、「サトシを侵害するキャラクタ」と呼ぶべきものであって、サトシのキャラクタが開示されているというのは誤りである。
・「モンスターボール」は、「モンスターボールを侵害するキャラクタ」と呼ぶべきものであって、モンスターボールのキャラクタが開示されているというのは誤りである。
・「ピカチュウ」は、「ピカチュウを侵害するキャラクタ」と呼ぶべきものであって、ピカチュウのキャラクタが開示されているというのは誤りである。
・「フシギダネ」は、「フシギダネを侵害するキャラクタ」と呼ぶべきものであって、フシギダネのキャラクタが開示されているというのは誤りである。
・これらのキャラクタ名は、本願請求項に関係ないところ、上記拒絶理由通知書において審査官殿がわざわざ侵害品を正規品のように誤った認定をしているのは極めて不適切であり、正しい認定ができないのであればそもそもキャラクタ名等を記載すべきではない。

 ですかね。

 しかもこれ、この後も

 上述のように、「ピカチュウ」、「フシギダネ」、「サトシ」、「モンスターボール」は、「ピカチュウを侵害するキャラクタ」、「フシギダネを侵害するキャラクタ」、「サトシを侵害するキャラクタ」、「モンスターボールを侵害するキャラクタ」と呼ぶべきものである。

 みたいに何度も何度も連呼しているんですよね、別に呼び方の問題を取り上げているわけでは無く、特許の先行技術を取り上げた物であるにも関わらず。

 そしてこれに特許庁がどう返答をしたかというと、上記記事でも取り上げましたが。

拒絶査定 (特許出願2026-019762)

 この出願については、令和8年4月21日付け拒絶理由通知書に記載した理由1によって、拒絶をすべきものです。
 なお、意見書の内容を検討しましたが、拒絶理由を覆すに足りる根拠が見いだせません。

1 著作権侵害に関する主張について
 出願人は再三にわたって、引用文献等1の動画がポケモンの著作権を侵害するゲームの動画であることを主張しています。
 しかしながら、特許法において、29条1項3号の「電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明」から他者の著作権を侵害するものを除く規定はありませんし、審査基準において、引用発明における著作権侵害の有無が進歩性判断に影響を及ぼすことは示されていません。また、このような論点について述べた最高裁判決や知財高裁大合議事件判決も存在しません。特許法の目的(第1条)及び29条2項の法趣旨を考慮しても、引用発明における著作権侵害の有無が進歩性判断に影響を及ぼすとの結論には至りません。
 そのため、引用発明における著作権侵害の有無は進歩性判断と無関係であり、このことは、特許実務家にとって標準的な考え方であるといえます。
 よって、この主張は、進歩性判断の結論を左右しません。

2 審査官が侵害品を正規品のように誤った認定をしたとの主張について
 出願人は再三にわたって、「Pokemon」、「ポケモン」、「サトシ」、「ピカチュウ」、「フシギダネ」、「モンスターボール」といったキャラクタ名等について、審査官が「わざわざ侵害品を正規品のように誤った認定をしているのは極めて不適切」であると主張しています。
 しかしながら、上記1のとおり、引用発明における著作権侵害の有無は進歩性判断と無関係ですので、拒絶理由通知書においては、引用発明が侵害品であるとも正規品であるとも言及していませんし、言及する必要もありません。 
 また、上記1のとおり、引用発明における著作権侵害の有無は進歩性判断と無関係であるとの考え方は標準的ですので、拒絶理由通知書を読んだ特許実務家において、「審査官は引用文献等1がポケモンの正規品ゲームの動画であることを認めた」などと考えることはありません。万が一、そのようなことを考える者がいたとしても、それは非常識な誤解というべきものです。拒絶理由通知書が非常識な誤解をされる可能性があることは、進歩性判断に影響を及ぼしません。
 よって、この主張は、進歩性判断の結論を左右しません。

3 キャラクタ名等を記載すべきでないとの主張について
 出願人は再三にわたって、「Pokemon」、「ポケモン」、「サトシ」、「ピカチュウ」、「フシギダネ」、「モンスターボール」といったキャラクタ名等について、「正しい認定ができないのであればそもそもキャラクタ名等を記載すべきでない」と主張しています。
 しかしながら、請求項1に係る発明は、「プレイヤキャラクタ」、「フィールドキャラクタ」、「捕獲アイテム」及び「戦闘キャラクタ」という多数のオブジェクトの動作制御を主たる構成とするものであり、かつ、引用文献等1の動画にも多数のオブジェクトが登場しますから、何らかの形で引用文献等1の動画に登場する多数のオブジェクトを区別しなければ、理解可能な拒絶理由とはなりませ
ん。
 そして、引用文献等1の動画から、Pokemonというキャラクタ名(動画タイトル及び0:18における投稿者の発言)、Ashというキャラクタ名(1:22における投稿者の発言)、Pikachuというキャラクタ名(2:18における投稿者の発言及び文字表記)、Bulbasaurというキャラクタ名(3:24における文字表記)及びPokeballというオブジェクト名(2:24における投稿者の発言)を、視覚及び聴覚を通じて客観的に把握することができます。
 拒絶理由通知書においてキャラクタ名に言及することが許されないということであれば、冗長さを甘受して正確さを優先し、「ポケモン」ではなく「小動物の姿をしたオブジェクト」、「サトシ」ではなく「赤い帽子を身につけた少年の姿をしたオブジェクト」、「ピカチュウ」ではなく「黄色い小動物の姿をしたオブジェクト」、「フシギダネ」ではなく「緑色の小動物の姿をしたオブジェクト」、「モンスターボール」ではなく「上半分が赤色で下半分が白色の球体オブジェクト」と認定すべきであったと考えますが、このような言い換えをしても、拒絶理由の論理構成は変わりませんので、進歩性判断に影響を及ぼしません。
 よって、この主張は、進歩性判断の結論を左右しません。

 という具合にばっさりと切り捨てられています。

 勿論任天堂&株ポケモン側もこれのみをもって先行技術としては無効だと主張していた訳では無いのですが、それらも詭弁の域を出ないので普通に否定されていますしね。

 そもそもこの動画が単独で先行技術としては認められない物だと判断された場合でも、似たようなゲームメカニクスはそこかしこにあるでしょうし。


 この一件は任天堂様がフィリップスにWiiリモコンが特許を侵害していると訴えられた裁判で“ソニーの技術が先だもん!”とか言い出した一件(※そもそもWiiリモコンはそのソニーの特許を回避するためにIRマーカがモニタ側、センサがリモコン側に配置されている)に匹敵する任手堂様伝説になりそうですね。

 任天堂Sugeeeee。

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