
中途半端な聞きかじりで経営判断をしたりすると酷い事になりかねないですよ?
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この手の話は折に触れてはやっているので新たに記事を作る程か、という部分ではあるのですが。
昨日のこれ
[当ブログ: [Xソニーガー]開発協力会社代表“今伸びてるのはSteamゲーパスでPSが一番苦しくてValveに頭を下げないといけなくなるんだガー”などと]
で話に出てきた片割れが“カプコンのPCにおける売上が半分以上”みたいな話をしていたというので改めて書いておきます。
前も見たっていう人は以下読まなくても良い…とかいうと“こいつが嘘吐きなだけで半分以上だってゆったら半分以上なんだモン!”とか言い出すニシくんとか居そうな所が任天堂のSugeeeeeところなんですよね。
動くと頭の中身がすっぽ抜けていくニシくんを相手にしていると何度も同じ話を繰り返す羽目になり、自分でもこの話何度目だっけと思うようになったりするので、既出だなと思った場合は各自で判断してください。
この話の出所は多分昨期の質疑応答要旨…
[カプコン: 2023年3月期第2四半期決算カンファレンスコール 質疑応答概要](pdf)
Q.2023年3月期第2四半期のCS販売本数におけるPCの比率を伺いたい。
A.旧作を中心に伸長しており、約50%です。
この情報が任天堂らしく歪められて伝わった結果なのではないかと思います。
約50%なので半分以上とは言っていない、という部分でも色々なところで情報が歪んでいそうだなというのは分かるのですが。
しかしながら“でもこれなら売上の半分くらいではあるんでしょ?”と思う人もいるのかもしれない、というか思う人がいたからこそこんな状況になっているのでしょうが、あくまで販売本数の話しかしていないことに留意する必要があります。
[カプコン: 2023年3月期 有価証券報告書](pdf)
通期の有価証券報告書には売上高の一割を超える顧客を記載する必要があるのですが、同じく2023年3月期における“主要な顧客”は以下の通り。

Steamを展開するValve社が顧客トップで任天堂様を超えてるじゃん、と思う人もいるかもしれませんが、この売上高228.42億円というのはカプコンの当該決算期のデジタルコンテンツ売上高、981.58億円の内23.3%に過ぎないんですよね。
ちなみに任天堂様は16.7%です。
じゃあ残りの六割は何かと言えば、そりゃPSプラットフォームとXboxプラットフォームの合計となる訳ですが。
比率としては大きい筈なのに何故ここに記載されていないかと言えば、SIEは地域別に法人が分かれている(少なくとも日米欧)上にカプコンは自社流通も持っているので比率が低くなりがちな為でしょうね。
MSも地域別に法人があるのですが、こちらはガチで一割未満でも不思議ではないので…
この売上高比率はカプコンに限った話では無く、EAやUbisoftといったゲーム専用機とPCの売上高比率を公開している所でも概ね5:2程度の比率に収まっています。
[EA: Electronic Arts Inc.Q3 FY24 Results Earnings slides](pdf)

これに関しては年末商戦期の四半期単独だとゲーム専用機側に傾きがちですが、12か月のスパンで見るとある程度安定しているという所ですね。
そちらの尺度だとPC向けよりもゲーム機向けの方が売上高が伸長し、巣籠もり需要があった時期を超えている訳ですが。
実際、Steamで昨年、同年発売のタイトルを購入した人の比率が9%なんて公式データもある訳ですし、新作をPCだけで全力なんてやるととんでもない事になりそうです。
という事で、ゲハのニシくんが宣っているような妄言を信じ込むと碌な事にはならないという話ですね。
何なら当のカプコンの社長が“これからはPCスマの時代~”とか言い出しているところはあるんですけど…
追加コンテンツで儲けてるEAですらこんな感じなんですし、あまり安売りするのも良くないと思いますが。
社長坊々さんがやらかすのは今に始まった話では無いのでこの先どうなる事やら。

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学生に出した内定全部蹴られたらしいけど当然だわ