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 …という事で、PS4の3年度目をそれなりに上回ってきたようです。

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[ソニーグループ: 2023年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) / 決算説明会資料 / 補足資料](pdf)

 ソニーグループの2023年3月期決算はグループ全体で売上高が前期比16.3%増の11兆5398.37億円、営業利益が0.5%増の1兆2082.06億円、純利益が6.2%増の9436.22億円と増収増益を達成。

 今期(2024年3月期)の業績予想は売上高11.5兆円、営業利益1.17兆円と横這いの予想ですが、近年の期初予想は手堅い物なので上振れする可能性は十分ありそうです。

ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野
【2022年度の業績】
 売上高は、前年度比9,048億円(33%)増加し、3兆6,446億円となりました(前年度の為替レートを適用した場合、18%の増収)。この大幅な増収は、アドオンコンテンツを含む自社制作以外のゲームソフトウェア販売減少などがあったものの、主に為替の影響やハードウェアの売上増加及び自社制作ゲームソフトウェア販売の増加によるものです。
 営業利益は、前年度比961億円減少し、2,500億円となりました。この大幅な減益は、主にゲームソフトウェア開発費及びBungie, Inc.等の当年度に取引を完了した買収にともなう費用*を中心としたコスト増や前述の自社制作以外のゲームソフトウェア販売減少の影響によるものです。この減益は、前述の自社制作ゲームソフトウェア販売の増加の影響やハードウェアの損失縮小により一部相殺されています。なお、当年度の為替の悪影響は324億円でした。

* 当年度に取引を完了した買収にともなう費用として527億円を計上しました。なお、Bungie, Inc.の買収に関する詳細については、23ページをご参照ください。

【2023年度の見通し】
 売上高については、為替の影響などがあるものの、主にハードウェア及び周辺機器の売上増加により、増収を見込んでいます。営業利益及び調整後OIBDAについては、コストの増加*や自社制作ゲームソフトウェア販売の減少の影響などを見込むものの、主にハードウェアの損益改善やコストの米ドル建て比率が高いことによる為替の好影響及び前述の周辺機器の売上増加の影響により、増益を見込んでいます。

* コストの増加は、ゲームソフトウェア開発費のうち資産計上される金額が2023年度以降に増加することを見込むことにともなう費用計上額の減少により、一部相殺されています。

 ゲーム事業についてはこのように説明されており…営業利益は大きく減っていますが、研究開発費や買収費用を差っ引いたからという部分もあるようですね。

 この他、音楽分野はアニメ事業(アニプレックス)の収入源があったものの音楽制作と音楽出版が好調で増収、映画分野は増収も為替を考慮するとやや減収、テレビやデジカメ、スマホ等を纏めたエンタテインメント・テクノロジー&サービス分野はテレビの減収とデジカメの増収でやや増収も買わせ考慮でやや減収…


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 セグメント別業績ではG&NS分野がダントツですね。

 特に、第4四半期に限っても売上高が1兆円を超えているのは為替の影響があるにせよ相当な物でしょう。
 MSの決算記事でも書きましたが、これはMSのゲーム事業(主としてXbox)の売上高に対してダブルスコア、任天堂の見込みと比べると3倍以上の差となります。
 まあ任天堂の決算発表はGW明けの後なので、ゲハブログ的には答え合わせが結構先の話となるのですが。

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 G&NS分野は売上高3兆6446億円、営業利益2500億円と第3四半期時点の予想をやや上回る結果に。
 為替の影響は増収減益という形で出ていますが、それを考慮しても圧倒的ですね。
 今期予想は売上高3.9兆円、営業利益2700億円と増収増益の予想となっていますね。


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 昨期におけるソニーグループの研究開発費は大きく増加していますが、その殆どがゲーム分野での増加となっているようです。
 PSVR2発売後に前年比1000億円近くの増加って、何を開発しているんでしょうね。

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 棚卸資産は滅茶苦茶増えていますね、PS5の生産ペースを落とさずその在庫分が影響しているのだろうと思われますが、年末商戦期前を超える水準を維持している辺りこれまでに無い勢いとなっていそうです。

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 そしてゲーム分野の詳細ですが、とにかくとんでもない増収ですね。

 ハードウェア売上高は第4四半期に限れば前年同期比でおよそ3.5倍と、三割減となったMSのXSX|Sとは好対照をなしています。
 PS5本体の販売(出荷)台数も第4四半期に630万台と前年同期比で3.1倍程度に増加。

 PS5の通期販売(出荷)台数は1910万台で、PS4の3年度目実績1760万台を上回る1800万台~を目標にと言っていた所から100万台以上出荷台数を増やしたようです。
 ちなみにハードウェア売上高ってゲーム機本体のみで、周辺機器(PSVR2含む)は別枠ですからね。

 次にソフトウェア売上高ですが、こちらは前期比1.1倍とやや増収。
 順調にPS4からPS5への移行が進んでいる物と思われます。
 今般のパンデミックによる外出規制解除…“リオープン”による影響か追加コンテンツの売上高はやや増という程度ですが、フルゲームソフトウェアの売上高はフィジカル/デジタル何れも大きく増加していますね。

 フルゲームソフトウェアの販売本数そのものは前期比12.9%減の2.642億本となっているので、これはPS5への移行で平均単価が上がった影響もありそうです。

 ゲームソフトのデジタル本数比率は67%と前期比で微増、一方デジタル売上高比率は91.3%程度と高水準を維持(ネットワークサービス売上高も含む任天堂式で計算)。

 ネットワークサービスについては、PS+契約者数が第4四半期に4740万人で前期比横這い、月間アクティブユーザー(MAU)が第4四半期に前年同期比やや増の1.08億人となっており、“リオープン”によるデジタルコンテンツのエンゲージメント低下局面においても良く維持していると言えそうです。

 昨期はPS+のリニューアルがありましたが、ネットワークサービス売上高は前期比で13.5%増の4646.76億円とやや増加。
 ユーザー辺りの平均支出はやや増加していそうですね。
 ゲームコンテンツ+サービスの売上高も微増程度に終わったMSとの差も付いていますし。

 その他の売上高は前期比81.2%増の3399.15億円と大幅増収を達成。
 ここには周辺機器の他、PSプラ以外で販売されているSIEソフトの売上高も含まれているらしいので一概には言えませんが…それでも第4四半期の売上高が前年同期比で3倍近くの1429億円となっているのはPSVR2発売の影響が大きそうですね。

 といった具合にソニーのG&NS分野…SIEのPlayStationプラットフォームは順調ですね。


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 ついでなので音楽分野の売上高ですが、アニプレックスが手がけるゲーム関連の売上高は前年度をやや下回る1085.58億円となった物の、第4四半期は前年同期をやや上回ったりとそれなりに堅調みたいです。

追記:決算説明会における十時CFOの説明によると、今期のPS5は出荷台数2500万台超を目指すそうです。実現すればPS4の4年度目を500万台以上上回る事になりますね。

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