レイトレーシングを自動で~というとちょっと語弊がありますが、ツールやライブラリで比較的簡単に扱えるようにする開発を行っているようです。
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[ソニー: <特集> Sony's Technology 2020 / Sony's Technology 2020 冊子版PDF]
より詳しく解説する個別記事は今後公開予定とされていますが、SIEからはPlayStation 5のコントローラ「DualSense」に搭載される触覚フィードバック技術、及びハードウェアレイトレーシングに関する事例が紹介されています。
まず「DualSense」の触覚フィードバックについてはSIEのグローバルR&D 東京部門 開発1部の小西由香理氏が説明。
同氏は学生時代から触覚フィードバックについて研究しており、SIEに入社した後すぐにDualSenseに搭載された触覚フィードバック“ハプティクス”関連の開発に携わっていたそうです。
同技術は表現できる周波数の幅が広がった反面、高品質な振動のフィードバックを制作するための時間やノウハウが必要とされるようになった為、この負担を低減するための環境を整備したとのこと。
インパクト感があり、自然な心地よい振動波形を少ないステップでデザインできるツールを開発し、さらにゲームの効果音からほぼ自動で振動パターンが生成される自動生成手法も実現しました。
ディープニューラルネットワーク技術に着目して開発を行いましたが、この技術を画像や音声ではなく触覚に応用した先行研究は少なく、当初は生成されたデータを悶々と見つめる日々が続きました。
その後、学びを重ね、専門家のアドバイスも受けながらさまざまなアルゴリズムを検討することで、クリエイターが手動で作成したかのような、高品質な振動波形をある程度自動で生成できるようになりました。
というわけで、“マルチタイトルだからハプティクスに対応しない”というタイトルは減るのではないでしょうか。
また、SIEのR&D部門は研究者がある程度自由な研究を行うことも可能だそうで、たまに出願されている突拍子もない特許はその辺りから出てきた物なのかもしれませんね。
レイトレーシングについてはSIEのハードウェアエンジニアリング&オペレーション本部、プラットフォームソフトウェア設計部門の渡部心氏が説明しています。
レイトレーシングによって擬似的な反射を実装するために使われている時間を省ければクリエイターがよりクリエイティブに注力できるとした上で、SIEとしては
渡部さんはハードウェアの性能を引き出すために、レイトレーシングを高速化するためのアルゴリズム・データ構造の構築や、クリエイターに提供するライブラリの開発を担っています。
「普段の開発で意識しているのは、定量的な指標を用いて改善を続けていくことです。ハードウェアの性能をさまざまな条件で計測してデータを把握しています。これにより、試行錯誤の日々の中でも確実に進化していることを実感できます」。
また、「もっとも大切にしているのは、ゲームクリエイターとのコミュニケーションです。プラットフォーマーとしては、ゲームクリエイターの表現力を最大限に発揮してもらうことが一番大切です。
クリエイターが実際のゲームに統合すると、私たちが予期せぬ問題・課題が見つかることがあります。そのため、クリエイターからのフィードバックには迅速に対応し、ライブラリの改善を繰り返しています」。
さらに、「レイトレーシングの本質的な強みは、周囲の情報を正確に把握することです。グラフィック以外の用途では、例えば音響シミュレーションへの応用が考えられます。音が反響したり、裏側に回り込んだりと、これまでにない新しい“音”の表現が生まれるかもしれません。レイトレーシングには私たちやゲーム開発者の想像力次第で、まだまだ数多くの可能性があります。ユーザーの皆さんにさらなる楽しみと驚きを提供していくために、クリエイターの声を聞きながらさまざまな課題に挑戦していきたいです」。
とライブラリの充実に注力しているとのコメント…というかこれ要約版にするために発言部だけ抜粋した結果説明する地の文が抜けてません?
レイトレーシングは光線のような電磁波だけでなく、音波のような弾性波の反射をシミュレーションするのにも使えるとはMark Cerny氏も話していましたが、3D Tempest Audioと合わせて使うことで世代の違う音響表現が可能となるのかもしれませんね。
あとSIEはアメリカが本社なんだガーとか言ってる人(大体ゲハの一般人)、ここに出ているようにハードとそのソフト回りの開発は相変わらず日本が中心ですからね、欧米でもVR関連などの技術開発は行われているわけですが。
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レイトレだけじゃなくて、デュアルセンスを利用するための開発環境も
マルチタイトルが当たり前に対応してるのを見ると、充実してんだろうね